渡邉 林太郎

Watanabe Rintaro

私は大学の学生時代、仲間と「Original Instruments Exhibition and Concert」なるイベントを企画いたしました。美術学部の学生がオリジナルの音具を制作し、音楽学部の学生が演奏するというもので、学園祭の期間中ギャラリー展示と音楽ホールでの演奏を行いました。学生が作る音具は既製の楽器のように美しい音も合理的な演奏も望めませんが、音楽学部の学生達(先生も)の卓越した技術と好奇心で、とても魅力的な演奏を聴くことができ「楽器になる前の装置で、音楽になる前の音を楽しむ」そんな体験でした。
もともと「時」を内包するキネティックアートに興味を持っていた私は、その後も「動き」や「音」をモティーフとした作品を制作し続けることとなりました。
究極のデジタル情報時代を迎えた現在、好奇心をもって機械や楽器をのぞき込み、その仕組みに想いをはせるような機会も少なくなってしまいました。今回の展示では初心に帰って、「音」をモティーフとした「装置」を制作してみようと思います。
治平組の皆さんと共に、あの頃に戻るための装置(タイムマシーン)となりますように。

略歴

1960年 神奈川県出身
1984年 東京藝術大学美術学部工芸科鍛金専攻卒業
1986年 東京藝術大学美術学部大学院美術研究科修了
1985年 ハイテクノロジーアート展(佳作)
1986年 「FROM SOUND」/ストライプハウス美術館・六本木
1987年~1994年 「SOUND GARDEN1~6」企画/出品
1989年 音のある美術展/栃木県立美術館
1990年 第一回「治平組展」(半生会)天王洲セントラルタワー・アートホール
1992年 尼子・渡辺コラボレーション展/銀座プラスマイナスギャラリー
1997年 二人展 /ストライプハウス美術館・六本木
     第二回「治平組展」
2012年 「遊」展 天王洲セントラルタワー・アートホール
2019年 「TRAil」展天王洲セントラルタワー・アートホール

【パブリックアート制作(WAY art produce)】
1992年 横浜八景島 「噴水型モニュメント」制作
1994年 熊本県環境センター(水俣)モニュメント制作
1997年 山形県荘内銀行 「エントランスモニュメント」制作
1999年 岡山NTTクレド 「 エントランス・モニュメント」制作
2002年 名古屋ブルーボネット 環境感応式エコオブジェ制作
2004年 東京農工大キャンバス内 流動層モニュメント「輝泡燈」制作
2007年 岩手県釜石市 「近代製鐵発祥150周年記念モニュメント」制作
2016年 神奈川県 「緑ヶ丘学園エンゼルガーデン・モニュメント」制作

現在   株式会社 ウエイ 代表取締役社長
     株式会社 工房えむま 代表取締役社長